じつは、イチジク浣腸はとても歴史のあるものなんです。大正14年、田村廿三郎さんという医師が「イチジク印軽便浣腸」という名前で発明しました。今も昔も、便秘になやむ人のパートナーとしてイチジク浣腸はかつやくしています。

イチジク浣腸を使っても、うんちが出るのに何時間もかかる…なんてことはありません。浣腸はほかの飲む便秘薬等とちがって、使ってから3分〜10分程で効果があらわれます。出したい時に、すぐ出せる！というのが浣腸の特徴なんです。

いちじく、といえばくだものを思い浮かべる人がいるかもしれませんが、実はいちじくの成分は入っていないんです。イチジク浣腸には「グリセリン」という成分が入っていて、うんちをやわらかくしたり、うんちをおし出す力を高めてくれたりしています。

胃の中で消化されて、小腸で栄養を吸収された食べものはドロドロになります。そのドロドロを大腸にはこんで、そこでうんちが作られます。大腸ではドロドロの状態から水分が吸収されて、だんだん固まっていきます。そしてみなさんがよく見る、あのうんちができあがるんです。

うんちが全く出てないわけじゃないから、便秘じゃないよ！と思うかもしれないですね。でも、3日間以上うんちが出なかったり、1週間で2回以下しか出てないと、便秘になっている、といいます。自分のうんちの状況をかくにんしてみましょう。

イチジク浣腸の名前の由来は、容器の形がいちじくの実に似ているから、という説が有力です。ほかにも、いちじくの実が熟するのが、浣腸のすぐに効果が出る、ということを連想させたり、など色々な説があります。

工場では1日、なんと10数万本も作られています。みなさんの便秘を治すために、毎日たくさんの浣腸が作られています。さすがに多すぎるんじゃないかな、と思うかもしれませんが、イチジク浣腸は赤ちゃんからお年寄りまで使え、多くのみなさまのために役立っているのですね。

みなさんのおなかの中には“バクテリア”とよばれる生き物がすんでいます。みなさんの大腸でうんちを作っている間、そのバクテリアがうんちについている食べ物ののこりカスを消化しています。こうしてのこりカスが消化されていくと、あのにおいが出てくるんです。